活動報告 市民公開講座〜山梨・甲州腎を守る〜慢性腎臓病<CKD>ってなんだろう?


 
 

市民公開講座 腎臓予防 山梨・甲州腎を守る 慢性腎臓病(CKD)ってなんだろう

 第3回山梨慢性腎臓病対策協議会 市民公開講座は、山梨慢性腎臓病対策協議会(YCKDI)と山梨日日新聞社、山梨放送主催、大日本住友製薬株式会社の協賛で2012年11月25日に甲府・かいてらす(県地場産業センター)で開催されました。

13時30分に市民公開講座が始まり、 約240名の方々が来場され、会場は ほぼ満席状態となりました。オープニングは、 日本慢性腎臓病対策協議会 (JCKDI)のイメージキャラクター “そら豆くん”と 山梨慢性腎臓病対策協議会(YCKDI) 原口和貴代表がステージに登場! YCKDIのオリジナル 「あたり前体操♪」で 会場が盛り上がりました(*^^)v

講演が始まりました

あなたと家族の腎臓を守ろう! 〜大人8人に1人のCKDってどんな病気?〜 自治医科大学腎臓内科透析部教授 安藤 康宏先生

 安藤先生のご講演では、まず我が国の慢性腎臓病(CKD)の全体像を説明されました。それによるとCKDの推定人口は1,330万人にのぼり、大人8人に1人の割合だそうです。また、現在の透析患者数は30万人を超えて国民440人に1人の割合となっています。 
 ご講演では、CKDの原因疾患である生活習慣病(糖尿病と動脈硬化)に対する対策が非常に大切である事を強調されました。生活習慣病に対する対策(食事、運動、薬)の中で最も実践率が低いのが、運動習慣だそうです。安藤先生は、ご自身が立上げられた下野運動療法勉強会の事をご紹介なさって運動の楽しさ、重要性について豊富なご経験をもとに市民に分かりやすくお話をしてくださいました。「体力と筋力と身体活動量と生存率は正比例する」というデータは、何よりも運動の重要性を認識させられました。先生ご自身は山登りがご趣味だそうです。気さくで体を動かすこ
とが大好きな先生のお人柄がにじみ出たような本当に楽しくてためになる特別講演でした。

一般講演 ―――行政、薬、食事面からのお話し――― 食事で防ぐ腎臓病 市立甲府病院 栄養管理室 齊藤 寛子先生

 齊藤先生は管理栄養士さんです。腎臓を守るために大事な塩分、タンパク、カロリーについてお話をされました。特に強調して話されたのが減塩の必要性です。2010年の国民健康・栄養調査の結果で、山梨県は男女ともに塩分摂取が日本一多いのだそうです。
 齊藤さんは、甲府市立病院でご自身が栄養指導に携わっている豊富な経験をもとに減塩の重要性、減塩を容易にする工夫を具体的にわかりやすく説明してくださいました。ちょっと難しく考えてしまいそうな食事療法のことを基礎から分かりやすく説明してもらえました。腎臓病の食事療法で挫折しそうになっていた人も元気づけられるようなお話でした。

お薬と腎臓病 加納岩総合病院 薬剤課長 鈴木 正彦先生

 鈴木先生は、腎臓が悪い人が服用しない方がいい薬や、服用する場合に量を減らしたほうがいい薬などについて紹介してくれました。紹介していただいた薬は、多岐にわたっており、降圧剤や漢方薬なども含まれています。その中でも、鈴木さんが特に強調されていたのは、非ステロイド性解熱鎮痛剤(NSAIDs)です。膝関節痛や腰痛の時によく処方される薬ですが、腎臓機能を急に低下させることがあり、CKD の方はあまり使わない方がいいということだそうです。もう1 点強調されていたのは、腎臓の機能を表すeGFRという指標をもっと活用すべきだということでした。知らないことばかりで、非常に勉強になるお話でした。

腎臓病予防について 笛吹市の取り組み 笛吹市市民環境部国民健康保険課 保健師 小林 直美先生

 小林先生は、笛吹市の行政で働いている保健師さんです。笛吹市の健康保険課では、皆さんがCKD 対策に大いに力を入れています。その取り組みの内容とは、まず@広報を利用して一般市民のCKD に対する認識を広める。次にA腎機能の指標としてeGFR を使用して早期にCKD 患者を見つける。最後にBCKD患者を集めて予防教室を開くということです。教室では、血液検査、尿検査などのほか保健師、栄養士、医師などからいろいろのアドバイスを得ることが出来るということでした。笛吹市のシステムの一つの特徴は、地域の医師会の先生方の積極的な協力体制にあると思われました。山梨県の各地でこんな取り組みが行われたら、どんなに良いか
と思わずにはいられませんでした。

なんでも相談コーナー・補助食品紹介コーナー

 昨年に引き続いて、山梨慢性腎臓病対策協議会の医師、薬剤師、栄養士相談コーナーが行なわれました。昨年同様、初期の慢性腎臓病から透析までの色々なstageの患者さんあるいは、ご家族が来られて担当者に相談をしていかれました。看護師による体組成皮膚年齢の測定にも多くの市民の方が参加されていました。腎臓病や腎不全の補助食品のコーナーは、食品の説明などを受けたくさんの補助食品を持ち帰る方々で大盛況でした。

 休憩時間には、原口内科・腎クリニックの栄養士・運動療法士の名取先生から「誰にでも簡単にできるストレッチ体操」を教えていただきました。音楽に合わせて、そら豆くんと参加者の皆さん全員で楽しく笑顔でストレッチ体操ができました。肩が軽くなりました〜!

最後に

第3回 山梨慢性腎臓病対策協議会 市民講座を終えて、ご講演を頂いた先生方、相談コーナーを担当していただいた山梨慢性腎臓病対策協議会のメンバーの方々にお礼申し上げます。

代表 原口和貴

 

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