活動報告『山梨慢性腎臓病研修会2012』


 
 

◆コメディカルのための
 『山梨慢性腎臓病研修会2012』の報告

平成24年2月5日(日)13時〜
山梨大学医学部臨床大講堂にて行いました。

<一般講演> 山梨県立中央病院の若杉正清先生

「コメディカルのためのCKD療養指導−CKDの進展防止を目指そう」

山梨県立中央病院 若杉正清先生

 若杉先生は長年にわたり山梨透析研究会のデータの取り纏めをしていらっしゃいます。山梨県における慢性腎不全から透析への移行の現状を全国との比較データを取り入れて説明してくださいました。データからは山梨県の糖尿病患者さんの透析導入率の高さが明らかとなり、山梨県のCKD対策の方向性=重点として取り上げるべき分野が示されました。また、厚生医療の身体障害者3級の取り扱いに関して積極的に認定していく事で将来の透析への導入を阻止するべきではないかという見解が示されました。
 座長は山梨県立中央病院腎臓内科で医療連携部長の神宮寺禎巳先生にお願いしました。

<特別講演1> 熊本大学の平田純生先生

薬剤師のCKD対策において果たすべき役割について
慢性腎臓病(CKD)の薬物療法
〜薬剤師の出来ること、今やらねばならないこと〜

熊本大学平田純先生

 先生のお話が始まる頃には会場が一杯になっていました。 お話はCKDの全般的なお話から、平田先生の白鷺病院ご勤務の時期にさかのぼって、腎機能低下時の薬物動態のご研究の端緒などにも及びました。先生ご自身の豊富なご経験をもとにして、「これからは薬剤師がCKD対策の最前線に立って努力すべきである」という事を力説されました。昨年の熊本市役所の高本先生に続き熊本から2年連続のご講演を頂きましたが、熊本のCKD対策の先進性に感激しました。
 座長は今年からYCKDIの団体代表会員になっていただいた山梨県薬剤師会の鈴木正彦先生にお願いしました。

<特別講演2> 尼崎市役所の野口みどり先生

「地域におけるCKD予防対策〜尼崎市の実践例から」

野口みどり先生

古屋好美先生

 先生のお話は職員検診でのデータを用いてメタボ対策として保健師の介入が如何に効果的であるかをまず示されました。次いで市民を対象とした尼崎市で行われているCKD対策の実際を紹介してくださいました。CKD対策により尼崎市の透析導入が減っているという現状は非常に興味深く力づけられました。また、メタボリック症候群から慢性腎臓病となりやがて動脈硬化が進行して透析への移行していく過程のなかで、患者さんに「自分は病気の進行のどのレベルにいるのか?何をして病気の進行を止めるべきなのか?」を印象づける具体的な方法について色々と伝授していただきました。
 座長は昨年に引き続き山梨県中北保健所所長の古屋好美先生にお願いしました。

若杉先生は県立中央病院の中でも一番忙しい腎臓内科の 中心的先生です。
平田先生、野口先生もお忙しい中を遠路はるばる山梨に駆けつけてくださいました。
3人の先生方、熱くてためになるご講演をありがとうございました。

若杉先生

 3つの講演を通してコメディカルの皆さん(薬剤師さん、保健師さん、看護師さん、栄養士さん)が自分自身の仕事の中で積極的にCKD対策に関わって行くための多くのヒントを得られた事と思います。皆さんの今後の活躍に期待したいと思いました。 


【ご寄付を頂いた企業名】
ファイザー株式会社・日本イーライリリー株式会社・小野薬品工業株式会社・協和発酵キリン株式会社・中外製薬株式会社・MSD株式会社・武田薬品株式会社・株式会社三和化学研究所・帝人ファーマ株式会社・鳥居薬品株式会社・第一三共株式会社・大正富山薬品株式会社・塩野義製薬株式会社・エーザイ株式会社・大鵬薬品工業株式会社・キッセイ薬品工業株式会社・味の素製薬株式会社・興和創薬株式会社・アストラゼネカ株式会社・株式会社ムトウ山梨

【労務提供を頂いた企業名】
中外製薬株式会社・MSD株式会社・大正富山薬品株式会社・エーザイ株式会社・武田薬品工業株式会社・持田製薬株式会社・バイエル薬品株式会社・ノボノルディスクファーマ株式会社

【ご後援を頂いた団体名】
日本慢性腎臓病対策協議会(JCKDI)・山梨県・笛吹市・山梨県医師会・山梨県薬剤師会・山梨県病院薬剤師会・山梨県看護協会・山梨県栄養士会・山梨県腎臓病協議会・山梨県臨床工学技士会

 

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